自家製ベーコンを作る<低温殺菌編>

  • 2020.05.27 Wednesday
  • 14:39

今日は、先日燻製したベーコンの仕上がりを確認して、長期保存のために真空パックして低温殺菌をします。

 

一週間、脱水、熟成させたパンチェッタとベーコンの仕上がりの確認のために、はじっこを切ってみましたが、豚の三枚肉の断面を見ると、希釈塩と岩塩により赤身が綺麗な色に発色していました。

 

発色の確認

 

もちろん、無添加で作ったベーコンでも、岩塩だけでもかなり良い色に発色しますが、何度も言うとおり、長い梅雨のあるモンスーン気候の日本では、希釈塩の使用というのは衛生管理上必然だとわたしは考えています。肉を長期保存する以上、制菌にはくれぐれも注意しましょう。

 

というわけで、今回も、まず始めに石鹸で手をよく洗ってから、逆性石鹸のオスバンで手を消毒し、使い捨てのビニール手袋をつけて、すべての作業をします。できあがったベーコンは友人にも贈るので、くれぐれも食中毒をださないように、このような制菌処理は欠かせません。

 

次に、仕上がったベーコンやパンチェッタを真空パック装置で脱気してシーリングしてやりますが、その前に食品添加物として認められている77%に希釈されたエタノールを、肉のすべての面にまんべんなくスプレーして、表面を消毒します。それから、真空パック装置で脱気して、シーリングしてやります。

 

真空パック

 

すべてのパンチェッタとベーコンをシーリングしたら、低温調理器にかけて低温殺菌します。

 

低温殺菌

 

設定する温度は、殺菌に効果があり、同時に豚肉のたんぱく質が変性しないぎりぎりの温度である63℃に設定します。低温殺菌する時間ですが、わたしは芯温度計で計測した結果、3時間ほどの間、低温殺菌することが必要であることを確認しています。昔は高価だった芯温度計も、中国製のものが2、3千円で販売されているので、興味のあるかたは購入されれば良いでしょう。塊肉をオーブンで調理するのなどに、かなり便利に使えます。

 

なお、脱気が甘くて空気が残っていて水面に浮いてくる場合がありますので、そういう場合は湯のなかに完全につかるように重しをいれてやります。わたしは、画像を見てもわかるように、漬物石を愛用しています。ここまで出来れば、あとは3時間放置しておけるので、楽ちんです。

 

仕上がりはこんな感じになります。できあがったパンチェッタとベーコンは、冷蔵庫で保存します。

 

仕上がり

 

今日はここまで。

鴨の腿肉のコンフィを真空調理で作る<真空調理編>

  • 2020.05.26 Tuesday
  • 11:39

今日は、先日漬け込んだ鴨の腿肉を低温調理器で調理していきます。

 

鴨の腿肉は、ハーブとブライン液にひと晩漬けるより、ふた晩ほど漬け込むほうが、塩気は強くなります。この辺りは好みが分かれますが、わたしはふた晩ほど漬け込んでみました。

 

漬け込み終わり

 

この時点で、鴨の腿肉にはハーブの香りとうっすら塩味が付いています。ジップロックの袋から、鴨の腿肉を慎重に取り出して、まな板などに並べて、晒し木綿の布やキッチン・ペーパーで表面の水分を取ってやります。ハーブや薄切りにした大蒜は、そのまま使います。ブライン液はもう要らないので袋から捨てて、袋を軽く水洗いしてから、そこに表面の水気を取った鴨の腿肉をハーブなどと一緒に再び戻してやります。さらに、グース・オイルを鴨の腿肉1本あたり大匙1杯程度入れてやります。

 

グース・オイル

 

実は、油のなかで低温で煮るというコンフィという調理をしても、鴨肉自体にはオイルは浸透していないことが辻調理師学校の官能試験によっても確認されています。つまり、コンフィという調理法には、オイルは無くても良いのです。ですが、わたしは鴨の風味を濃厚に感じられるように、あえてグース・オイルを入れています。そこまで凝りたくない人は、替わりにオリーブ・オイルを入れても良いでしょう。要するに、鴨の腿肉にさらに風味を添加するだけのことです。

 

これを例によって、大きなボウルに水を入れてそのなかに袋ごと沈めて、水圧で空気を抜きながら、口をしっかりと閉じます。空気を抜いた状態はこんな感じになります。なお、調理の途中で水が入らないように、かならず口がしっかりと閉じられていることを確認しましょう。

 

空気を抜いたところ

 

わたしは、低温調理器はAnovaを愛用していますが、他にも似たような低温調理器が沢山でています。値段は1万円程度ですが、最近よく売れているのは、BONIQという低温調理器です。低温調理器については商品レビューなども沢山ありますので、それを見て自分の好みに合うものを購入して下さい。

 

さて、低温調理器の温度設定なのですが、今回は82℃に設定します。低温調理を行うための大鍋や寸胴に水を入れて火に掛けて、料理用の温度計を湯に入れて確認しながら、だいたいそれぐらいの温度になるようにします。


そこに脱気した袋に入れた鴨の腿肉を入れて、全体がお湯に浸かるようにします(袋が水面から出ないように)。冷たい鴨の腿肉を大量に入れると温度が下がりますが、それはあまり気にしなくても良いです。低温調理器が設定された温度になるように、自動的に加熱してくれますので、そのまま置きます。

 

低温調理器で調理

 

低温調理器に設定した82℃の温度になったら、8時間ほど低温調理をします。長時間調理しますので、お湯が蒸発して減ってないか、きちんと袋が水に沈んでいるかを時々確認しましょう。なお、低温調理器をどのように設定したらよいのかは、自分で購入した低温調理器のマニュアルを確認してみて下さい。

 

ところで、わたしは温度変化が起こらないように、寸胴の廻りにバス・タオルとアルミ・シートを巻いて、上下を発泡スチロールの板で断熱しています。特に、冬場には、温度が安定しにくいので、このような工夫をすると良いでしょう。また、このようにしておくと、水分の蒸発も抑えられます。ここまで出来れば、あとは放置しておいて、時々、様子をみてやるだけで低温調理ができるので、とても楽ちんです。

 

断熱

 

8時間低温調理をしたら、ジップロックの袋ごと寸胴から取り出して、袋に溜った液体をボウルに空けて、鴨の腿肉を取り出してローズマリーとタイム、大蒜を丁寧に外します。そして、鴨の腿肉の表面を、晒し木綿の布もしくはキッチンペーパーで軽く押して、水気を取ります。

 

鴨の腿肉を取り出す

 

袋に溜った液体の表面に浮いている油をスプーンなどですくって、フライパンに移してやります。肉汁はできるだけ入れないようにして、油だけをすくうようにしましょう。フライパンを中火の弱火にして、鴨の腿肉の皮目を焼いていきます。フライパンを傾けて、手前に油が溜るようにして、揚げていく感じです。7、8分焼くと、皮目がきつね色になって、ぱりっとしてきます。

 

皮目を焼く

 

皿にベビーリーフを散らして、プチ・トマトを半分に切ったものを飾ります。そこにトングで皮目をぱりっと焼いた鴨の腿肉を載せます。食べるときには、粒マスタードを添えて、それをつけながら食べます。

 

できあがり

 

それでは、いただきます。

 

 

追記

 

ところで、仕上がった鴨の腿肉のコンフィの保存方法を紹介していなかったので、それも説明しましょう。

 

わたしも色々の真空パック装置を検討して、実際に購入して試してみたのですが、そのなかでもお薦めは真空パックんです。かつては業務用の高価なシーラーしかなかったので、わたしも購入には至らなかったのですが、この真空パックんはチェンバー式でないので汁物は封入できませんが、業務用と同じ圧力で脱気できるので、家庭用のみならず業務用でも使われている商品です。

 

真空パック装置

 

わたしも数年前から愛用してますが、これで封入するのにはある程度コツが要りますが、使い勝手は非常に良いです。特に、わたしは燻製やコンフィなどを大量に作っては、友人関係にも送っているので、こういうシーラーは必須なのです。

 

時に、署名された著者謹呈の献本なども友人から贈られてくるのですが、返礼に困ってこのような手間の掛かる保存食を、このシーラーで真空パックしてクール便で送ったりしています。時々は、友人がそれを調理して、ワインなどをマリアージュした食卓の写真を添えたメールが送られてくることもあり、こちらもそれが楽しみになっています。

鴨の腿肉のコンフィを真空調理で作る<漬け込み編>

  • 2020.05.24 Sunday
  • 18:01

今回はイタリア料理からは、ちょっと離れて鴨の腿肉のコンフィです。

 

鴨の腿肉のコンフィというのは、今でこそどこのビストロでも出しているのですが、昔は作るのがかなり大変でした。塩胡椒してハーブの香りをつけた鴨肉を、80℃程度に保ったラードのなかで長時間煮るという料理なのですが、火加減が難しいので温度計を見ながらほぼつきっきりで調理をせざるを得ず、非常に手間が掛かりました。

 

それが1979年に真空調理法が開発されることで、1980年代頃から飛躍的に調理技術が発展し、ホテル厨房などで理化学機器の恒温器と真空パック装置、コンベクション・オーブンがセットで使われるようになり、このような難しい料理も広く調理されるようになりました。わたしも、昔むかし、恒温器や恒温槽、チェンバー式の業務用真空パック装置を買いそうになったのですが、さすがに全部揃えると100万を遙かに越えるので買い込むことを躊躇して、しぶしぶ諦めたこともありました(笑)。

 

ところが、今では家庭用の安価な真空パック装置や低温調理器が販売されており、これを使えばわずか2、3万円で本格的な真空調理ができてしまうのです。そういうわけで、今回は家庭でもできる鴨肉のコンフィの真空調理を紹介します。

 

なお、鴨肉なのですが、タイで生産されたチェリバリー種という合鴨が非常に安く手に入るのですが、それを使って鴨ロースのパストラミを作ってみたところ、美味しいのはおいしいのですが、鴨の風味がいまひとつ足りなくて、ちょっと不満を感じました。そこで、今回はもうちょっと品質の高いフランス産のバルバリー種キュイスドカナールを使ってみました。

 

鴨肉

 

もちろん、最高級品のシャラン鴨を使えば、非常に美味いコンフィが作れるのですが、そこまで良い食材を使うと、家庭料理の範疇を超えてしまいます。わたしは飽くまでも家庭料理に興味があるわけで、シャラン鴨を食べるのなら、それなりのレストランに行くことにしています。そういうわけで、鴨肉なんてお値段が高いからと言うのなら、ちょっといい地鶏の腿肉で作っても良いでしょう。それも美味しいです。

 

■材料(2人分)

 

鴨の骨付き腿肉           2本

大蒜                2片

ローズマリー            2枝

タイム               2枝

グース・オイル         大匙2杯

(なければオリーブ・オイル)

ベビー・リーフ            適量

プチ・トマト            4個

粒マスタード          大匙2杯

胡椒                 適量

水              200cc程度

塩                  適量

三温糖                適量

 

材料一覧

 

まず、腿肉の解凍のしかたは同じです。大きなボウルに水を入れて凍らせた保冷剤を入れて、氷温で解凍します。実は、レシピでは腿肉2本で書いてますが、実際には腿肉10本を購入して調理しています。というのも、2本作るのも10本作るのも手間は大して変わりがありません。沢山作って、できあがった腿肉のコンフィを真空パックして冷蔵庫に保存しておけば、袋のまま短時間湯煎して、フライパンで皮目をぱりっと焼けば、いつでも極上のコンフィが食べられるからです。

 

なお、元々コンフィ自体が冷蔵庫のない時代に食品を保存するための調理法ということもあり、冷蔵庫に入れれば2、3週間なら全く問題ありません。冷蔵庫に空きがあるのなら、多めに作っておけば長期間保存ができるので、沢山作ることがお薦めです。

 

それでは下拵えの解説をします。

 

鶏肉は大きなボウルに水を入れて、よく洗います。昔は、肉を水で洗うのは、味が抜けるとして御法度だったこともありますが、現代では水で表面を良く洗ってから調理することをお薦めします。というのも、このひと手間で食中毒の危険性を大幅に低減できるからです。新しい習慣として、食肉は水洗いするということを心掛けましょう。

 

水洗い

 

鴨の腿肉には、皮目の裏側に油がたくさん付いています。この部分を包丁で丁寧に取っていきます。肉からはみ出した皮の部分も邪魔になるので、包丁で切り落として整形します。本当に凝るのなら、脚の先の皮に切れ目を入れて、食感の悪くなる筋を毛抜きで取ることをしますが、レストランではないのでわたしはそこまでしません。

 

皮を整形

 

そして、皮の部分に羽の切れ端が残っていることがあるので、手で触って確かめて、羽の切れ端があるのなら、毛抜きで抜いてやります。これで、鴨の腿肉の下処理は終わりです。
 

毛抜きで羽抜き

 

なお、掃除した鴨の脂や皮は、ブロード・ディ・ポロ(イタリア料理の鶏の出汁)を作るのに使えますので、ビニール袋に入れて冷凍庫に保存すると良いでしょう。そのうち、色々なブロードの取り方も紹介するつもりです。

 

続いてこれを、薄切りにした大蒜、ローズマリー、タイム、塩と三温糖を水に溶かしたブライン液と一緒にジップロックなどの袋に入れて空気を抜きます。空気を抜くには、大きなボウルに水を入れてそのなかに袋を入れると、水圧でうまい具合に空気が抜けます。なお、ブライン液の作りかたは、下記の参考にあげたウェブ・サイトに詳しい解説がありますので、それを見て作って下さい。

 

水に入れて空気を抜く


ところで、伝統的なレシピでは、塩胡椒してハーブなどと漬け込み(キュアリング:塩漬け)、ひと晩かふた晩ほど冷蔵庫でおくのですが、わたしはあえてブライン液に漬け込むようにしています。何故なら、ブライン液にひと晩漬け込むと、調理したときにより短時間で肉が柔らかくなるので、そうしているわけです。

 

空気を抜くとこんな感じになります。

 

仕上がり

 

ひと晩かふた晩、冷蔵庫に入れて漬け込み、これを低温調理器で調理していきます。

 

今日は、ここまで。

 

続きはこちら

 

 

参考

 

ブライン液の作り方とブライン液を使ったおすすめレシピ 主婦A子のレシピ

スズキのポワレを作る

  • 2020.05.22 Friday
  • 18:48

今回も、先日作ったサルサ・ディ・ポモドーロを使った料理です。

 

今日は、スズキのポワレを作りますが、イタリアでもフランス料理の影響があるのか、同じような料理を作ります。ただし、基本となるソースは、やっぱりサルサ・ディ・ポモドーロなのですが、今回はそれの応用編とも言えるソースで頂きます。南イタリアに行くとこれがフレスコ(フレッシュ)な生のトマトを使った軽いソースを魚に添えますが、わたしの滞在していたフィレンツェ近郊では、魚のソースにもバターを使っていました。

 

なお、太っちょのクオーコの叔母ちゃんの言うところでは、イタリアでは金曜日には魚を食べる習慣があるのだそうで、わたしの滞在していた村にも、金曜日になると新鮮な魚をいっぱいに車に載せた行商の魚屋が来ていました。

 

もっとも、当時、ロンバルディア州の州都であるミラノでさえも、市内に魚屋は2軒程度しかなく、日本人の目からみるととても新鮮とは言えないような魚しかなかったので、非常に落胆したものです。しかし、幸運にも、わたしの滞在していた村では、近郊の漁村であるアンコナから、行商の魚屋が来ていたので、結構魚には不自由はしませんでした。

 

■材料(2人分)

 

スズキの切り身           2枚

サルサ・ディ・ポモドーロ    大匙3杯

大蒜                1片

プチ・トマト            5個

レモン              1/2個

バター              20g

アネート(ディル・ウィード)    5本

マッシュルーム           4個

オリーブ・オイル         適量

塩                適量

胡椒               適量

 

スズキのポワレ材料一覧

 

スズキには皮目に軽く塩胡椒します。通常魚は白胡椒を使いますが、白でも黒でもかまいません。わたしは黒胡椒の味が好きなので、黒胡椒で味付けしました。付け合わせのマッシュルームは、半分に切ってみました。プチ・トマトは1/4に切ります。アネートは飾りに使う1本を残して、2cm幅で刻んでおきます。レモンは種を取っておきます。なお、ソースに滑らかさが欲しかったので、大蒜はマッシャーで潰しています。マッシャーがなければ、みじん切りでも問題ありません。

 

スズキのポワレ下拵え

 

まず、付け合わせのマッシュルームを焼きます。フライパンにコーン油を薄く流して、そこにマッシュルームを並べ、弱火で焼いていきます。焼き目がついたら、ひっくり返して焼いていきます。しばらくすると、マッシュルームが汗をかいてくるので、それが火が通ったことの目印です。焼けたら軽く塩胡椒します。じっくり焼いて、マッシュルームの旨味を引き出しましょう。

 

マッシュルーム

 

続いてソースを作ります。冷たいフライパンに大蒜を入れて、オリーブ・オイルを注ぎます。それからガスコンロに火をつけて、中火の弱火にします。大蒜がふつふつと沸いてきたら、サルサ・ディ・ポモドーロを分量入れて、温まるのを待ちます。

 

サルサディポモドーロを入れる

 

サルサ・ディ・ポモドーロがふつふつと沸騰してきたら、分量のバターを入れて、レモンを搾ります。バターが溶けたら、切ったプチ・トマトとアネートを入れて、スプーンで軽く混ぜます。味見をしてみて、塩気が足りなければ、ひとつまみ塩を入れます。これで、ソースができました。なお、プチ・トマトはフレスコな感じを出すために入れています。なければないで、問題ありません。単なる好みの問題です。

 

アネート

 

ここまで出来たら、スズキを焼いていきます。

 

フライパンにたっぷりのオリーブ・オイルを入れて、中火の弱火にしてフライパンが温まるのを待ちます。フライパンが温まったら、スズキをならべて焼いていきます。フライパンを斜めにして五徳におき、手前に油が溜るようにしてから、溜った油をスプーンですくってスズキにかけつつ、じっくり焼いていきます。焼いている間、ずっと油をすくってはかけることを繰り返し、皮目がぱりっとするまで焼いていきます。片面が焼けたらひっくり返して両面を同じ方法で焼きます。うすく焼き目がつけば、もう火が入っていますので、極弱火にして冷めないようにします。

 

ポワレ

 

ソースを温めてから、スプーンでソースをすくって皿に広げ、付け合わせのマッシュルームを添えます。そこに焼けたスズキを盛り込んで、1本とっておいたアネートを飾ります。これで、できあがりです。

 

できあがり

 

それでは、いただきます。

子持ち渡り蟹のクリーム・パスタを作る

  • 2020.05.22 Friday
  • 11:12

今回も、先日作ったサルサ・ディ・ポモドーロを使った料理を紹介します。

 

今日は、旬の安い時期に活〆にした雌の渡り蟹を大量に買い込んで、真空パックして冷凍しておいたものを使ったパスタ料理です。

 

この子持ち渡り蟹のクリーム・パスタなんですが、バブルの時期には盛んに「イタ飯屋」と呼ばれていたイタリア料理店で猫も杓子もどこでも出していたのですが、少なくともわたしはイタリアでこんなパスタを食べたことはありません。

 

どうやらこれは、日本で考えられたメニューではないかと疑っているのですが、バブルが崩壊して、むやみやたらに料理店に行って大枚を叩くということがなくなった頃から、このメニューは廃れてあまり見掛けなくなってしまいました。

 

ですが、このパスタ料理は食べるとむっちゃ美味いので、わたしも時々作っていますが、子持ちの雌の渡り蟹さえ入手できれば、できあがったパスタが非常に見栄えがするので、作っていても楽しいものなのです。もちろん、ホーム・パーティなどで出すと、えらくうけるので作った人の評価も上がります。

 

ただし、渡り蟹は冷凍された安価なものが海外からも輸入されていますが、どうにも品質が安定せず、捌いてみると臭みがあって料理に使えないということがあったりします。そうなると廃棄するのは惜しいので、下茹でして臭みを抜いて、出汁に使う(アメリケーヌ・ソースを作ります)ことにしていますが、酷い時には半分は料理に使えないことすらあります。ということで、できれば生きているものか、活〆にしたものを購入すると良いでしょう。

 

なお、雄の渡り蟹は、甲羅を外して半分に切ったものが格安で売られていますが、こういう蟹は味噌汁にすると絶品ですが、この料理には使えません。必ず子持ちの雌の渡り蟹を、入手してください。ちなみに、わたしは愛知県のまると水産というところから買っています。今の時期はもう旬の最後なのですが、まだ雌の子持ち渡り蟹が売られているので、自分でもやってみたいのなら、まると水産から購入すると良いでしょう。

 

■材料(2人分)

 

雌の渡り蟹            2匹

サルサ・ディ・ポモドーロ   大匙6杯

生クリーム(35%)       100cc

白ワイン             100cc

大蒜               2片

イタリアン・パセリ       2〜3本

オリーブ・オイル          適量

塩                 適量

 

材料一覧

 

まず、渡り蟹の解凍をしますが、冷水を大きなボウルに入れて凍らせた保冷剤を入れ、そのなかで氷温で解凍するとドリップがあまりでません。冷蔵庫で一晩おいて解凍しても良いのですが、長時間おくとドリップがでるので、わたしはあまりお薦めしません。

 

解凍方法

 

ここからは渡り蟹を捌くのですが、必ず出刃包丁を用意しましょう。所謂牛刀や三徳包丁で捌くと、蟹の甲羅が硬いので包丁の刃が欠けたり、おもわぬ怪我をします。出刃包丁なら蟹の足に包丁を当てておいて、包丁の背をばんばん叩いて切っていけるので、安全に調理ができます。

 

それでは、実際に捌いてみましょう。

 

まず、甲羅をはずしますが、そのまえに所謂ふんどしとよばれる部分を身から外します。次に、ふんどしを外すと甲羅の下に隙間ができるので、そこに親指を掛けて、静かに甲羅を外していきます。ちょっとだけコツが要りますが、慣れれば簡単です。

 

甲羅を剥がす

 

甲羅を外したら砂袋を外します。口の下の部分についている黒い色の袋がそれです。ていねいに取り除きましょう。さらに、白い海綿状の部分を両側とも取り外します。ここは美味しくないですし、口当たりが悪いのできれいに掃除しましょう。

 

砂袋を外す
 

ここまでできたら、胴体を半分に出刃包丁で割ってから、出刃包丁で足をバンバン切っていきます。出汁がよく出て蟹の身を食べやすいように、鋏(はさみ)の部分も出刃包丁で割ってやります。なお、蟹の足に布巾などを掛けて出刃包丁で切ってやると、蟹が飛び散らないので、楽に下拵えできます。

 

蟹を割る

 

すべての足を割って、良く出汁がでるようにしましょう。これで蟹の下拵えは終了です。ここまでできれば、あとは炒めるだけなので簡単です。このあたりでパスタを茹で始めると良いでしょう。

 

材料下拵え

 

冷たいフライパンに刻んだ大蒜を入れて、オリーブ・オイルを注ぎます。ガスコンロに火をつけて中火の弱火にします。ふつふつとオイルが沸いて大蒜から香りが立ち上るのを待ちます。

 

大蒜を炒める

 

フライパンが温まってきたので、分解した蟹を入れて炒めます。このとき木べらなどで出汁がでるように、蟹を押し潰しながら炒めます。甲羅の裏には味噌と卵があるので、潰さないように注意しながら炒めます。

 

蟹を炒める

 

蟹の甲羅が赤く色づいてきたら、白ワインを分量注ぎます。白ワインをしばらくの間煮詰めて、酸味とアルコールを充分に飛ばします。

 

白ワインを添加


白ワインが煮詰まってきたら、サルサ・ディ・ポモドーロを分量入れて混ぜ合わせ、しばらく待ってから生クリームを分量いれます。全体が暖まってきたらイタリアン・パセリを半量入れます。ここで火加減は弱火にします。

 

イタリアン・パセリ

 

そこに湯切りしたスパゲッティーを入れて、よく混ぜ合わせます。蟹の甲羅は取り除いて飾りに使います。

 

混ぜ合わせ

 

ソースをちょっとだけ味見をして、塩気が足りなければ、ひとつまみ塩を入れます。スパゲッティーも1本とって味見をして、アルデンテになっていることを確認してから、皿に盛り付けます。残りのイタリアン・パセリを散らして完成です。

 

できあがりです

 

それでは、いただきます。

スパゲッティ・アラ・オルトラーナ(スパゲッティー菜園風)を作る

  • 2020.05.21 Thursday
  • 19:31

今回も、先日作ったサルサ・ディ・ポモドーロを使ったパスタ料理を紹介します。

 

オルトラーナ(菜園風)というのは、野菜がたっぷり入った料理のことを指します。今回は、旬の野菜の茄子やズッキーニ、アスパラガス、インゲン豆、スナップ・エンドウなどを使いますが、ブロッコリーやほうれん草などを入れても美味しいです。要するに、サルサ・ディ・ポモドーロさえあれば、今が旬の野菜であれば、何を入れても形になります。ですから、クオーコの叔母ちゃんなんて、冷蔵庫のなかにある野菜を総ざらえして、ぱぱっと作ってしまっていいのよと、笑いながら言っておりました。

 

■材料(2人分)

 

スパゲッティ        160g

茄子             1個

ズッキーニ         1/2本

アスパラガス         2本

スナップ・エンドウ      4本

インゲン豆          4本

サルサ・ディ・ポモドーロ 大匙6杯

イタリアン・パセリ      2本

大蒜             2片

唐辛子            1本

アンチョビー(あれば)    2枚

 

オルトラーナ材料

 

ここで重要なのは、野菜が同じ時間で火が通るように切ることです。火にかけたら一斉に野菜が仕上がるように、自分で考えて切っていきましょう。また、アスパラガスは根本の部分が堅いこともあるので、ピーラーで皮を剥いてから切ると、繊維が口に残りません。茄子は塩水に晒すとイタリア料理の教本などには書いてありますが、今時の茄子はそんなに灰汁がありませんから、そこまで気にする必要はありません。アンチョビーは包丁で叩いてから、包丁の腹でまな板に押しつけて潰しておきます。なお、ソースには大蒜の香りが欲しいので、大蒜はみじん切りにします。

 

野菜の下拵え

 

冷たいフライパンに大蒜のみじん切りと潰したアンチョビーを入れ、オリーブ・オイルを注ぎ、コンロに火をつけて中火の弱火で加熱します。するとオイルが沸いて大蒜とアンチョビーの香りが立ちますので、種をとった唐辛子を入れます。

 

大蒜とアンチョビー

 

唐辛子を入れたら、しばらく待って、その後に野菜を全部入れて木べらで炒め始めます。

 

野菜を炒める

 

野菜に火がはいってきたら、サルサ・ディ・ポモドーロを分量入れて、さらに炒めます。なお、みじん切りにした大蒜が焦げない間にここまで調理しないと、大蒜に火が入り過ぎて焦げ味になって美味しくないので、2、3分程度で手早くやりましょう。サルサ・ディ・ポモドーロが温まってきたら、イタリアン・パセリの半量を入れます。

 

野菜にポモドーロ

 

ここに湯切りしたスパゲッティーを入れるのですが、スパゲッティーに書いてある茹であがり時間の1分前、まだ若干芯が残っている状態で湯切りして入れましょう。ソースのなかでスパゲッティを短時間でも煮込むことで、味がなじみます。時々フライパンをあおって、まんべんなく混ぜ合わせます。

 

パスタを入れて混ぜる

 

味見をして塩が薄ければ、塩ひとつまみを入れます。スパゲッティがアルデンテになったことを確認して、皿に盛り込み、残りのイタリアン・パセリを飾ります。これで、できあがりです。

 

できあがり

 

それでは、いただきます。

仔羊のラム・チョップを作る

  • 2020.05.20 Wednesday
  • 17:34

今回も、先日作ったサルサ・ディ・ポモドーロを使った料理を紹介します。

 

イタリアでは仔羊料理というのは、レストランなどで頻繁に出てくるものなのですが、特に生後40〜70日の乳飲み子の仔羊(アッバッキオ)を使った料理が珍重されるようです。日本では仔羊と言えば、ラム・チョップばかりなのですが、イタリアでは復活祭の時期には仔羊肉の消費量が飛躍的に増えますが、角切りにした仔羊肉を赤ワインで煮込んだり、さまざまな調理がされて供されます。

 

最近、日本でもミルク・フェッド(乳飲み子)のラム肉が解禁されて、ニュージーランドなどからかなり高品質のものが輸入されて、専門店などにも出回るようになりました。そこで、今回はイタリア人のクオーコの叔母ちゃんに教えて貰ったタラゴン風味のソースをかけたラム・チョップを紹介したいと思います。このソースの応用範囲は結構広くて、バターで焼いた白身魚に添えても美味しいですし、ブルスケッタ(オープン・サンド)に使っても美味しいです。

 

■材料(5人分)

 

仔羊ラムロース骨付き       5本

じゃがいも            2個

クミン・シード        ひとつまみ

ローズマリー           3枝

タイム              3枝

 

サルサ・ディ・ポモドーロ   大匙3杯

玉葱(あればエシャロット)   1/4個

レモン                1個

大蒜               3片

プチ・トマト          4〜5個

タラゴン           大匙1杯

塩                 適量

 

材料一覧

 

なお、仔羊肉は調理の30分前に冷蔵庫から出して、常温にしておきます。何故なら、肉の表面を焼き付けても肉の中心の芯温度がまだ低いのでは、全然美味しくないからです。火入れはかなり微妙ですので、凝るクオーコによっては低温調理をしてから焼く場合もありますが、塊肉ならともかく、わたしはラム・チョップではそこまでやりません。

 

仔羊肉が常温になる間に、付け合わせを作ります。今回はじゃがいもを添えることにしました。じゃがいもはたわしで表面の泥を落として皮のついたまま、ひとくち大に切って使います。

 

ところで、イタリア在住の折に、あるドイツ人とも友達になったのですが、じゃがいもの皮を剥いて調理したところ、なんで皮を剥くんだ、皮のところに栄養と旨味があるんだ、皮を剥かずに食べさせろと文句を言われました(笑)。それ以来、食感が邪魔をする場合以外には、皮付きのまま調理するようになりました。

 

これを下茹でしても良いのですが、わたしは電子レンジで加熱しています。特に、シリコン製のタジン鍋で加熱すると、非常にうまく蒸せるので日々愛用しています。

 

タジン鍋で加熱

 

下蒸ししたじゃがいもを、コーン油(コーノ)を敷いたフライパンで焼き目をつけていきます。焼き目がついたら、塩胡椒して味を調え、ひとつまみのクミン・シードをふって混ぜ合わせます。

 

じゃがいも

 

続いて、ソースを作ります。

 

プチ・トマトは1/4に切って、大蒜と玉葱はみじん切り、レモンは半分に割って種を取ります。

 

ソース材料

 

まず、冷たいフライパンにたっぷりのオリーブ・オイルを入れて、そこに玉葱をいれます。ガスコンロを火をつけて中火の弱火にします。油の温度があがって玉葱がじわっと煮えてきたら、そこにサルサ・ディ・ポモドーロを入れます。ソース全体が暖まって沸いてきたらトマトと大蒜のみじん切りを入れます。

 

ソースの続き

 

さらに沸いてきたら火を止めて、半分に割ったレモンを絞ってレモン汁を加えます。最後にタラゴンを入れて、スプーンなどでまんべんなく混ぜ合わせ、塩で味を調えます。これでソースができました。なお、プチ・トマトを入れるのは、ソースのフレッシュ感を上げるための、わたし独自の工夫ですが、サルサ・ディ・ポモドーロだけでも充分美味しいと思います。

 

ソース仕上げ
 

さて、ソースが出来たので、仔羊のロースを焼いていきます。

 

まず、常温に戻した肉の両面に塩胡椒をします。

 

塩胡椒

 

フライバンにたっぷりのオリーブ・オイルを入れて、中火の弱火にします。フライパンが温まったら、肉をフライパンに並べてから、手前にオイルが溜るようにして、そこにローズマリーとタイムを入れます。なお、焼き上がった肉の飾りに、ローズマリーとタイムを1本ずつ取っておきます。

 

油にハーブの香りが移るので、手前に溜った油をスプーンですくって肉の表面にかけます。フライパンの手前を低くして斜めにしたまま、中火の弱火でじっくりと焼き上げます。片面が焼けたらひっくり返して反対側の面も焼きます。焼きながらずっと油を肉にかけてやります。

 

油をかける

 

両面を焼いたら、ソースを皿にスプーンで盛り付けて、じゃがいもも添えます。焼き上がった仔羊肉を盛り込んで、ローズマリーとタイムの枝を飾ります。これで、出来上がりです。

 

仕上がり

 

それでは、いただきます。

ボンゴレ・ロッソを作る

  • 2020.05.20 Wednesday
  • 12:09

今日も、先日作ったサルサ・ディ・ポモドーロを使ったパスタ料理を紹介します。

 

サルサ・ディ・ポモドーロを作っておけば、本格的なイタリア料理が家庭でも作れるのですが、ボンゴレ・ロッソなんて下手なイタリア料理店よりも美味しい料理ができてしまいます。まぁ、これは反則技なのですが、料理店ではこっそりあさりエキスの粉末なんて足すところもありますが、そんなものを入れなくてもあさりの滋味たっぷりのボンゴレ・ロッソが簡単に作れるのでお薦めです。

 

■材料(2人分)

 

スパゲッティー        160g

あさり            200g

サルサ・ディ・ポモドーロ  大匙6杯

大蒜              2片

唐辛子             1本

白ワイン            100cc

イタリアン・パセリ(あれば)   適量

 

ボンゴレ

 

まず、大鍋にたっぷりの湯を沸かせて塩をひと掴み入れ、スパゲッティーを茹でます。その間にソースを仕上げます。

 

ここからは、ポイントが随所にあって手早くやらないといけません。イタリア料理の難しさは、多数のポイントが調理の瞬間、瞬間に次々と出るところです。やり直しは効きませんので、必ず調理の全体イメージをあらかじめ確認しておいてから、調理してみてください。

 

下処理

 

まず始めに、冷たいフライパンにみじん切りにした大蒜を入れて、そこにオリーブ・オイルを注ぎます。火加減を中火の弱火にしてふつふつと油が沸いて、大蒜がごく薄く色づいてくるのを待ちます。大蒜をみじん切りにした理由は、大蒜の香りを強く出したかったからです。あさりのソースに大蒜の香味は非常に合うので、わたしはこうしているわけです。

 

大蒜とオリーブオイル

 

大蒜がごく薄く色づいてきたら、唐辛子を入れて辛みと香りを引き出します。唐辛子は入れないクオーコもいますが、わたしはちょっとピカンテ(辛い)な味を付けたかったので入れています。

 

唐辛子を入れる

 

大蒜が色付いてきたら、すぐにあさりを入れます。あさりを入れたら、ワインをフライパンのなかに注ぎます。

 

あさりとワイン

 

あさりの口が開き始めたらサルサ・ディ・ポモドーロを分量入れます。これを木べらなどで手早く混ぜながら、徐々にソースを乳化させていきます。

 

サルサディポモドーロ

 

さらにイタリアン・パセリを半量入れて、ソースと混ぜ合わせます。

 

イタリアン・パセリ

 

まだ若干芯の残っているスパゲティーを湯切りをしてここに加えて、フライパンをあおりながら混ぜ合わせます。

 

仕上がり前

 

最後にソースを味見して、塩気が足りなかったら塩ひとつまみを加えます。スパゲッティーも1本とって味見をして、アルデンテになるように火が通ったことを確認してから、皿に盛り込み残りのイタリアン・パセリを飾ります。

 

これでできあがりですが、ソースを作り始めてから5分程度でこれをやらなければなりません。慣れるまでは結構難しいですが、あらかじめ材料をきちんと下処理して、ソースを作る前に小皿に入れて並べておくと、失敗をしません。時に、調理の手が遅いということを悩む人がいますが、手早く調理できないのは手前を片付けられないことが原因です。常に、手前を片付ける習慣をつければ、調理の速度は上がります。

 

できあがり

 

それでは、いただきます。

ペンネ・アル・アラビアータを作る

  • 2020.05.19 Tuesday
  • 14:26

昨日、サルサ・ディ・ポモドーロを作りましたので、それを使ってパスタ料理を作ってみます。

 

今回作るのはペンネ・アル・アラビアータという日本でもおなじみのパスタ料理です。もちろん、市販のソースを買い込んで作っても良いのですが、サルサ・ディ・ポモドーロさえきちんと作っていれば、家庭でも20分程度の調理時間で市販のものより遥かに美味しい本格的なイタリア料理が作れます。

 

■材料(2人分)

 

ペンネ            160g

サルサ・ディ・ポモドーロ  大匙6杯

大蒜              1片

唐辛子             3本

パルメザンチーズ         適量

イタリアン・パセリ(あれば)   適量

 

ペンネ・アル・アラビアータ材料

 

さて、ここから料理の手順を書いていきます。

 

まず大鍋に3リットル程度の水を入れて、そこに塩をひと掴み入れて沸騰させ、ペンネを茹でます。塩加減を厳密に計るクオーコもいますが、わたしがイタリア料理を教えて貰ったクオーコの叔母ちゃんは、ひと掴み塩を入れるの、そんなもの何グラムとか計らないわよ、ただちょっと塩辛いのではと思う程度に多目に入れるのがコツと言っておりました。

 

ペンネを茹でている間にソースを作ります。

 

大蒜の皮を剥いて厚さ1.5mm程度の薄切りにしますが、イタリア料理の教本などを見ると、その前に半分に割ってなかの芽をとれと書いてあることがあります。そこで、わたしもイタリア人のクオーコの叔母ちゃんにそれを訊いたのですが、緑色の芽があるときは取るけど普通はとらなくて良いのよと、至って鷹揚な答えでした。要するに、大蒜の芽には生臭い臭みがあるので取るのですが、杓子定規にやらなくても良いそうです。

 

冷たいフライパンに薄切りにした大蒜を入れて、そこにオリーブ・オイルを注ぎます。それからガスの火をつけて、弱火で大蒜の薄切りをフライにしていきます。この時、フライパンを五徳の上で斜めに置いて手前にオリーブ・オイルが溜まるようにすると、上手くできます。

 

大蒜とオリーブオイル

 

大蒜のフライにする具合が難しいのですが、薄いきつね色になって香りが立ってきたら、種を取った唐辛子を入れて香味と辛みをだします。

 

唐辛子を入れる

 

わたしは、ある程度大蒜がきつね色に色付いて、オイルに大蒜の香りが移ったら、焦げる前に全部取ってしまいます。大蒜を入れたままソースを仕上げるクオーコもいますが、どうしても焦げ味が邪魔になるので、わたしは全部取ることにしています。

 

大蒜を取ったら、そこにサルサ・ディ・ポモドーロを分量入れて煮ていきます。ある程度ふつふつと沸いてきたら、そこにパスタを茹でている鍋から、大匙4〜5杯程度お湯をすくって入れます。しばらくスプーンで混ぜていると、ソースが乳化してきますので、これでソースは仕上がりです。

 

サルサ・ディ・ポモドーロ入れる

 

ここに茹で上がったペンネを入れてソースと絡めるのですが、わたしがクオーコの叔母ちゃんに教えて貰ったところでは、パスタの茹で具合は6分目ぐらいで笊で濾して湯切りし、それをソースと混ぜ合わせてしばらく煮ると教えて貰いました。こうすると、パスタにソースがしみこんで、より一層美味しくなるのだそうです。

 

味見をして、ペンネに火が通ったのを確認して、皿に盛り込んみパルメザン・チーズをふり、イタリアン・パセリを飾ります。なお、我が家のベランダで栽培しているイタリアン・パセリは、まだ収穫できるほど育ってないので、今回は省略しました。わざわざ買って来る必要はありませんが、あれば見栄えが良いです。また、普通のパセリを刻んで、ぱらぱらと撒いても問題ありません。それも美味しいです。

 

出来上がり

 

それでは、いただきます。

自家製ベーコンを作る<燻製編>

  • 2020.05.19 Tuesday
  • 11:11

今日は、一週間かけてピチットシートで脱水した豚の三枚肉を、燻製していきます。

 

今回は誰でもできるように、中華鍋と金属ボウルを使った燻製方法を紹介します。実は、我が家にはもっと大きな自家製燻製器もあるのですが、ベランダの片隅で分解して置いてあるので、それを組み立てるのがちょっと大変だからという事情もあります。ベーコンの場合には熱燻という比較的温度が高い燻製方法で良いので、中華鍋とボウルでも問題なく作れます。

 

実は、スモーク・ウッドという粉砕した桜やヒッコリーなどの粉を澱粉などで固めた棒状の燻製材があり、これならコンロの直火を掛けていても、比較的温度をさげながら中華鍋と金属ボウルで手軽に燻製ができます。

 

ちょっと昔話をすれば、このスモーク・ウッドという製品は、浅岡香辛料の特許製品だったらしいので、かつては浅岡香辛料でしか売っていませんでした。しかし、特許が切れたのでしょう色々なメーカーが独自に作るようになり、もう浅岡香辛料では作らなくなりました。ですから、今ではどこのホームセンターでもごく普通に安価な値段で売っているので、昔より入手は簡単だと思います。

 

スモーク・ウッド

 

さて、豚の三枚肉なのですが、1週間の間に1回ほどピチットシートを交換しておいたので、肉から十分に余計な水分が抜かれてなかなか良い感じになっていました。また断面を見ればわかるように、希釈塩と岩塩により肉がきれいな色に発色しています。これを燻製するのですが、冷蔵庫から出したままでは肉の温度が低くて燻煙がよくつきません。また、表面が湿っていても燻製がよくつかないので、およそ3時間程度トレイに並べて放置して、常温になって表面が乾くまで待ちます。

 

豚の三枚肉

 

ところで、一部の豚の三枚肉は、ピチットシートの交換だけで冷蔵庫でさらに熟成させています。というのも、この豚の三枚肉は、所謂、パンチェッタ・クルードという燻製しないベーコン(?)を作るためです。これは、日本でもおなじみのカルボナーラというパスタ料理には欠かせないものなのですが、如何せん昔は日本で入手するのがとても難しかったのです。

 

なお、イタリアの農家では、冬場にこのパンチェッタを自家製で作って料理に使っていたようなのですが、都会では20数年前でもそんなことをやる人はいませんでした。というのも、肉屋の店頭でこのような生ハムやベーコン、ソーセージッチョ(小さなソーセージ)などを安価に売っているので、自分で作らなくても良いわけです。ですが、日本でパンチェッタを買うと、入手困難なだけでなく、ちょっと驚くような値段なので、仕方なく自分で作るようになったわけなのです。

 

パンチェッタ

 

さて、話をベーコンの燻製に戻します。今回は中華鍋とボウル、スモーク・ウッドで燻製をするのですが、もうひとつ、どうしても必要なものに中華鍋の内径にぴったり合う丸網があります。これはインターネットで購入しても良いですが、厨房用品店に行けば適当なものを安価に売っているので探しても良いでしょう。これを組み立てるとこういう感じになります。

 

燻製セット

 

中華鍋の底にアルミホイルを敷いて、ガスコンロなどの炎で着火したスモーク・ウッドを載せ、そこに丸網を載せてその上に豚の三枚肉を載せます。そこに中華鍋にぴったり合うボウルを被せ、コンロの火を弱火にして燻製をするのですが、ボウルにはあらかじめアルミホイルを内側に貼っておくと短時間の燻製ならボウルがあまり汚れません。しかし、燻製を何時間も掛けて行うと、やっぱりボウルの内側はかなり燻されてしまうので、燻製専用のボウルを厨房用品店で調達しても良いと思います。

 

実際の燻製の状態はこんな感じです。画像を見て貰えば判るように、豚の三枚肉を1時間程度燻製して、ほぼ仕上がっている状態です。ベーコンを作るのなら、燻製する時間はこの程度で良いでしょう。

 

燻製の実際

 

7時間ほど掛けて残りの三枚肉をすべて燻製しました。仕上がりはこんな感じです。

 

燻製終了

 

これを一晩トレイに放置して、表面を乾燥させます。もう、この状態で食べても美味しいのですが、わたしはここからまたピチットシートで包んで脱水し、冷蔵庫でさらに1週間ほど熟成させます。

 

ピチット

 

今日はここまで。