鴨の腿肉のコンフィを真空調理で作る<漬け込み編>

  • 2020.05.24 Sunday
  • 18:01

今回はイタリア料理からは、ちょっと離れて鴨の腿肉のコンフィです。

 

鴨の腿肉のコンフィというのは、今でこそどこのビストロでも出しているのですが、昔は作るのがかなり大変でした。塩胡椒してハーブの香りをつけた鴨肉を、80℃程度に保ったラードのなかで長時間煮るという料理なのですが、火加減が難しいので温度計を見ながらほぼつきっきりで調理をせざるを得ず、非常に手間が掛かりました。

 

それが1979年に真空調理法が開発されることで、1980年代頃から飛躍的に調理技術が発展し、ホテル厨房などで理化学機器の恒温器と真空パック装置、コンベクション・オーブンがセットで使われるようになり、このような難しい料理も広く調理されるようになりました。わたしも、昔むかし、恒温器や恒温槽、チェンバー式の業務用真空パック装置を買いそうになったのですが、さすがに全部揃えると100万を遙かに越えるので買い込むことを躊躇して、しぶしぶ諦めたこともありました(笑)。

 

ところが、今では家庭用の安価な真空パック装置や低温調理器が販売されており、これを使えばわずか2、3万円で本格的な真空調理ができてしまうのです。そういうわけで、今回は家庭でもできる鴨肉のコンフィの真空調理を紹介します。

 

なお、鴨肉なのですが、タイで生産されたチェリバリー種という合鴨が非常に安く手に入るのですが、それを使って鴨ロースのパストラミを作ってみたところ、美味しいのはおいしいのですが、鴨の風味がいまひとつ足りなくて、ちょっと不満を感じました。そこで、今回はもうちょっと品質の高いフランス産のバルバリー種キュイスドカナールを使ってみました。

 

鴨肉

 

もちろん、最高級品のシャラン鴨を使えば、非常に美味いコンフィが作れるのですが、そこまで良い食材を使うと、家庭料理の範疇を超えてしまいます。わたしは飽くまでも家庭料理に興味があるわけで、シャラン鴨を食べるのなら、それなりのレストランに行くことにしています。そういうわけで、鴨肉なんてお値段が高いからと言うのなら、ちょっといい地鶏の腿肉で作っても良いでしょう。それも美味しいです。

 

■材料(2人分)

 

鴨の骨付き腿肉           2本

大蒜                2片

ローズマリー            2枝

タイム               2枝

グース・オイル         大匙2杯

(なければオリーブ・オイル)

ベビー・リーフ            適量

プチ・トマト            4個

粒マスタード          大匙2杯

胡椒                 適量

水              200cc程度

塩                  適量

三温糖                適量

 

材料一覧

 

まず、腿肉の解凍のしかたは同じです。大きなボウルに水を入れて凍らせた保冷剤を入れて、氷温で解凍します。実は、レシピでは腿肉2本で書いてますが、実際には腿肉10本を購入して調理しています。というのも、2本作るのも10本作るのも手間は大して変わりがありません。沢山作って、できあがった腿肉のコンフィを真空パックして冷蔵庫に保存しておけば、袋のまま短時間湯煎して、フライパンで皮目をぱりっと焼けば、いつでも極上のコンフィが食べられるからです。

 

なお、元々コンフィ自体が冷蔵庫のない時代に食品を保存するための調理法ということもあり、冷蔵庫に入れれば2、3週間なら全く問題ありません。冷蔵庫に空きがあるのなら、多めに作っておけば長期間保存ができるので、沢山作ることがお薦めです。

 

それでは下拵えの解説をします。

 

鶏肉は大きなボウルに水を入れて、よく洗います。昔は、肉を水で洗うのは、味が抜けるとして御法度だったこともありますが、現代では水で表面を良く洗ってから調理することをお薦めします。というのも、このひと手間で食中毒の危険性を大幅に低減できるからです。新しい習慣として、食肉は水洗いするということを心掛けましょう。

 

水洗い

 

鴨の腿肉には、皮目の裏側に油がたくさん付いています。この部分を包丁で丁寧に取っていきます。肉からはみ出した皮の部分も邪魔になるので、包丁で切り落として整形します。本当に凝るのなら、脚の先の皮に切れ目を入れて、食感の悪くなる筋を毛抜きで取ることをしますが、レストランではないのでわたしはそこまでしません。

 

皮を整形

 

そして、皮の部分に羽の切れ端が残っていることがあるので、手で触って確かめて、羽の切れ端があるのなら、毛抜きで抜いてやります。これで、鴨の腿肉の下処理は終わりです。
 

毛抜きで羽抜き

 

なお、掃除した鴨の脂や皮は、ブロード・ディ・ポロ(イタリア料理の鶏の出汁)を作るのに使えますので、ビニール袋に入れて冷凍庫に保存すると良いでしょう。そのうち、色々なブロードの取り方も紹介するつもりです。

 

続いてこれを、薄切りにした大蒜、ローズマリー、タイム、塩と三温糖を水に溶かしたブライン液と一緒にジップロックなどの袋に入れて空気を抜きます。空気を抜くには、大きなボウルに水を入れてそのなかに袋を入れると、水圧でうまい具合に空気が抜けます。なお、ブライン液の作りかたは、下記の参考にあげたウェブ・サイトに詳しい解説がありますので、それを見て作って下さい。

 

水に入れて空気を抜く


ところで、伝統的なレシピでは、塩胡椒してハーブなどと漬け込み(キュアリング:塩漬け)、ひと晩かふた晩ほど冷蔵庫でおくのですが、わたしはあえてブライン液に漬け込むようにしています。何故なら、ブライン液にひと晩漬け込むと、調理したときにより短時間で肉が柔らかくなるので、そうしているわけです。

 

空気を抜くとこんな感じになります。

 

仕上がり

 

ひと晩かふた晩、冷蔵庫に入れて漬け込み、これを低温調理器で調理していきます。

 

今日は、ここまで。

 

続きはこちら

 

 

参考

 

ブライン液の作り方とブライン液を使ったおすすめレシピ 主婦A子のレシピ

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